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執筆者の写真ryohadano

me me me self liner notes

更新日:2019年12月29日

全作セルフライナーノーツ計画 第4回目。

3rd album "me me me"。

2014.11リリース。

初のプレスCD。ジャケットはクラフト紙を採用。手触りラヴ。

イラストは当時浜松〜東京で活動していたイラストレーターnatsume mai氏。

もともと描き下ろしてもらうつもりが、打ち合わせで見せてもらったスケッチブックにこの絵を見つけ即刻採用。ジャケット内側の絵もいいんですよ。

歌詞カードの文字組みや紙質選定もこだわっており、こちらはHELLO GOOD MUSIC今村氏に依頼。


牛盤以降に増えたライブ活動で多用していた、エレキギターとルーパーによる反復で構成した楽曲が目立つ全7曲。


ループするリフの中でコードやルートが動いて展開するこの感じ、実は10代のころから好きで。思いつく限り挙げると、当時のart-school, Plastic Tree, Supercarなど特に。

この手法気持ちよくて、未だに曲作りの際用いてます。


録音方法は牛盤時とほぼ変わらず、であるもののミックスに癖が強い。

ほぼ全楽曲にLow cutを入れず、Low shelfのみで低域のイコライジングを実施。

モヤっと柔らかい音像と、コンプによる圧縮感の強さ(独特の引っかかり感)はここから来ていると思われ。

曲はキャッチャーながら全体的に音響コラージュ的な質感も極めて強まっており、制作になかなか時間を要した一枚。


 

1.circus

ずばり、地方都市における物欲の不夜城 AEON(*1)の灯りから着想を得てを書いた曲。

(*注意:ディスではないです。)

書いた時は、社会派気取りな曲作ってしまったと思ったけど誰にも気付かれず。それどころかドリーミーだ、ファンタジーだと評される事態に。

ずしんと鳴るバスドラは、遠くから見る花火の音を参考にした記憶。


2.natsu ga kuru

タイトルは大黒摩季から拝借したとの噂。

夏がくる。

サビでシンセ入れたときの脅威的な曲の飛躍にびびる。これがアレンジの醍醐味。

録音では歌を細切れに録っているため、実際ライブでやると息継ぎがなく困難を極める。


3.heitai_hentai

いやに陽気なナンバー。世の中の人間は"兵隊"か"変態"のどちらかの人種に分かれる説を唱えてます。

ちなみに昔、投げ銭ライブするときは必ずこの曲をセットリストに入れてた。

最後の「変態。」という部分は、非常に小銭を投げやすいタイミング。スイートスポット。


4.tumoro

7インチレコード"85/85"にも収録の一曲。

circusと一部メロディを共有しているのは、実は原曲が同じため。原曲は音源化していない"傘がない"という曲。

中盤のFUZZギターソロは完全にmo'some tonebenderの冷たいコードのイントロを意識したもの。

5.me me me

アルバムのタイトルナンバー。静的な視点と執拗なループ。

その脇で、鉛筆でひたすらmememeと書き続けたり、手が震えてギターにシールドが挿さらなかったり、その様子をつぶさに音響的に記録。テンポやピッチの露骨な伸縮による転換・展開も試し始めた曲。

(ライブ版の一部発掘したので貼っときます)


6.atarimae no koto

シンプルな言葉で、かつ、陳腐にならないように日常生活を書けないか、初めて意識した曲。次作のsongsは、多分この流れを汲んだものなのでは。

イントロの路上雑音は、当時住んでたアパートの目の前の道路を散歩して収録。


7.april

牛盤収録のsunaと同時期に作っていたメロウなナンバー。

これが出来上がったとき、正直素晴らしい曲なんじゃないかと思った。


すぐに中田島砂丘(*2)で映像を撮ってYoutubeにアップ。

自意識過剰。もとい美意識過剰(*3)。

しかし、今尚歌ってしまうフェイバリットナンバー。

時を経て徐々に愛される、静かなるメロウコア。



なかなか個性際立つ7曲で構成されるme me me。

うむ、ポップスですね、これは。

 

(*1)AEON:結局行ってしまうショッピングセンター。

(*2)中田島砂丘:浜松にある日本3大砂丘の一つ。

(*3)美意識過剰;SHAZNA解散後のIZAMの1stソロアルバム

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